以前こちらの記事で、世界各国の経済指標の統計を取ってくる方法を紹介しました。
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そこで今回は、これを使ってTPP11(+米国)のGDPを調べてみようと思います。
TPPは、Trans-Pacific Partnership Agreement(環太平洋経済連携協定)の略で、TPP圏内において、幅広い分野における関税の撤廃と、非関税障壁の撤廃を目指す経済連携協定(EPA)です。参加国は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの11カ国です。当初は米国も交渉に参加していましたが、途中で交渉から離脱しました。区別するためにTPP11とも呼ばれます。
GDPは、Gross Domestic Product(国内総生産)の略で、ある国の国内で1年間に生み出された付加価値の総額を表す数値です。複数の国の経済規模を比較する際などに最もよく使われる指標です。
今回は、1999年から2019年までの20年間の数字をとってきました。
これが、過去20年間のTPP11(+米国)の実質GDP成長率のグラフです。縦軸の単位は%です。
リーマンショックで大きく凹んでいる以外は、ゴチャゴチャしていてよくわかりません。かろうじて日本のGDP成長率が相変わらず低いということが再確認できるくらいです。
そこで、成長率ではなくGDPの実数値をとってくることにしました。
以前紹介したページで、Gross domestic product, current pricesというやつを選択します。
constantとcurrentの違いが分からなかったので調べたところ、前者が実質GDPで、後者が名目GDPということでした。なので今からとってくるのは名目GDPの実数値ということになります。
これがTPP11+米国の、1999年から2019年までの名目GDP実数値をプロットしたものです。縦軸はbillionドルですが、分かりにくい場合は、5000のラインが日本円で大体500兆円だと思うとイメージがしやすいです。
やはり米国が圧倒的で、だいぶ下の方に2位の日本がくるということがわかります。成長率ではなく実数値で見ることで、各国の経済規模がより実感をもって比較できると思います。
ですがこのままだと3位以下の国が見えにくいので、今度は米国だけ抜いたグラフを見てみましょう。
これがTPP11の過去20年間の名目GDP実数値の比較です。
1位は日本で、2位のメキシコのおよそ2倍のGDPがあることがわかります。
日本は他の国と比較すると成長率こそ低いものの、元の経済規模が大きいのと、言っても安定して成長していることから、"失われた20年"で名目GDPは250兆円程度増えていることが分かります。
リーマンショックの影響を最も大きく受けているのは日本です。
TPP11圏内の経済規模はおおよそ、
日本>メキシコ>カナダ>オーストラリア>マレーシア>ベトナム>シンガポール>チリ、ペルー>ニュージーランド>ブルネイ
となることがわかります。
個人的な感想としては、日本の次はオーストラリアだと思っていました。やはりNAFTA圏内であるメキシコとカナダは米国の市場の恩恵を受けているということでしょうか。後はニュージーランドが下から2番目ということも意外でした。牧歌的で、GDPに算入されない経済活動が多いのでしょうか。
いかがでしたでしょうか?(???)次回はTPP11+米国の人口統計などを調べて経済規模と比較してみたいと思います。