今後、旅の日記を書くために用意したブログ

今後、旅の日記を書くために用意したブログです。今のところ旅に出る予定は無いので、旅の日記以外のことばかり書いています。

Ex帰寮、新しい書き方。

この記事は、熊野寮エクストリーム帰寮Advent Calendar 2022の25日目の記事です。

どんな準備をして、どこに降ろされて、どんな風に帰って来たか。このような書き方のエクストリーム帰寮の記事は、もうたくさん書かれている。それに、多くの場合あまり面白くもならない。Ex帰寮アドカレの新しい書き方を試そう。

情報は端的に。私はEx帰寮の運営2年目で、ドライバーはやっていない。寮祭期間までにHTMLを書いたり、受付本部で書類チェックしたり、ドライバーに払うガソリン代の領収書をまとめたりするのが仕事。寮祭が終わった次の週に、友人に頼んで35km先に飛ばしてもらった。信楽高原の山の上。紆余曲折あり52kmも歩いて帰ってきた。

図1 畑のしだれ桜

図2 距離測βに手入力

Ex帰寮の話はこれくらいにして。え?って?新しい書き方だよ。

 

2022年。(もう「今年」ではなくなってしまった。)

8月末に東北大の大学院入試を受けた後、仙台から小樽を経由して船で京都に帰る約2週間の旅行をやった。途中、全国学寮交流会に合流したりもしたけど、基本的に1人の旅だった。3月に家族でスキーに来た蔵王に、登ってみた。尾根の途中で、初老くらいの女性と目が合い、休憩することにした。会話をして、この辺の人だと知った。大学生だという話をすると、孫がいてどこかの医学部に行っていると教えてくれた。自分は京大生で東北大の大学院を受けに来たついでに登っているという話をすると、なんというか可愛らしい驚き方をされた。最後に、食べ切れないからと言って、携帯用の羊羹を貰った。私は上り、彼女は下りだったので、ありがとうと言って別れた。

帰り道、熊野岳の山頂で休憩していると、もしかして先程もお会いした人ですよねと声を掛けられた。重いからと言って、500mLの水のペットボトルを渡してくれた。

 

函館で夕食を食べようと思って、海鮮丼屋に並んだ。入ったら、一人席は無いから少し待ってと言われた。待ってると、後ろに並んできた人がいて、今いっぱいで入れないですよ。でもここくらいしか無いから(待たないと仕方ないですよね)と話をした。1人で無理なら2人で行けばどうだという話になり、扉を開けたが、一人とかは関係なく、そもそも席が空いていないという話だった。戦後東京青山生まれの男性で、7月に亡くなった祖父の弟(大叔父)に少し似ていた。映像関係の仕事とか色々やったけど、今はもう退職して1人で旅行するのが趣味という。コロナ前は東欧とか、海外旅行も結構行ったようで、落ち着いた優しい雰囲気から経済的にも余裕がありそうに感じられた。50年代の東京は、警官が道に立っていて、歩道を右側通行していないと怒られたという。「最近の若い人」へのアンテナも、結構しっかりしていると感じた。嫌な気分はしなかった。昔はガキ大将がいて、あれは今思うと中々良くできた仕組みで、いじめも無かったという。全然生きた時代が違う人の話を聞くのは楽しい。京大の寮に住んでる話や、コロナの話もした。リーダーシップの話もした。2人とも1500円くらいの(異なる)海鮮丼のメニューを食べた。最後、お会計で100円だけ多く払ってもらった。2人とも店の近くの(異なる)ホテルを取っていたけど、私は函館山にロープウェイで行きたかったので、ありがとうと言ってそこで別れた。

 

信楽高原から降りてきて、滋賀県道16号を歩いていると、黒い車が減速して横に止まった。夜中3時ごろ。30代くらいの優しそうなお兄さんが一人で運転していた。ほぼ歩道も無いような道を歩いている異常者が気になったのだろう。信楽高原から降りてきて、京大の寮に帰る途中だと言った。この先広いところまで乗せてあげようかと言われたが、大変ありがたいけど企画の趣旨に反するからと言って、断った。全然怪しそうな人では無かった。

大津を何時間も歩いて、逢坂越えを下ったあたりで、歩けなくなった。昼の12時ごろ。顔を上げると井筒八ツ橋本舗があり「休憩できる」と書いてあった。最初はちょっと癪だったけど、ありがたく休憩することにした。入ってベンチに荷物を置いて、休憩していると、よほどしんどそうに見えたのか、お店の人がお茶菓子を出してくれた。申し訳ないと思ったけど先に、信楽高原から降りてきて京都の家に帰る途中で「財布は持っていない」と嘘をついた。食べておいて何だが、買わされるかもしれないと思ったから。お茶をおかわりして、足を揉んだりしていると、歩けそうな気がしてきた。別のお客さんが入ってきた隙に、お店を出た。店から15mくらい歩いたところで後ろから声がして振り向くと、さっきのお店の人がビニール袋を持って、走ってきた。試食用で、賞味期限が近く、どうせ廃棄するからと言いくるめられ、もらってしまった。チョコレートのやつはカロリーがあるから食べると良いと言ってもらった。結局道中では食べず、寮に着いてから皆で食べたが、絶対に来年の寮祭企画「井筒八ツ橋と連帯」をやり遂げようと思った。お店の人の名前も覚えているけど、もしかしたら職務違反かもしれないので、ここには書きません。

こんなに貰って良いんですか

旅に出ると、強くなる。それは、初めての土地。見知らぬ、時には名前も分からない、人との関わり。自分で決めて、選択して、行動して、そこで人の優しさに触れる。何があっても大丈夫だという自信が生まれる。旅は、具体的な旅。人生という旅。旅に出るたびに強くなった。帰って来るたびに成長した。そう繰り返し思えた、2022年でした。