今後、旅の日記を書くために用意したブログ

今後、旅の日記を書くために用意したブログです。今のところ旅に出る予定は無いので、旅の日記以外のことばかり書いています。

表紙の女の子がかわいい哲学の本を注文した

藤田博司『「集合と位相」をなぜ学ぶのか』をいま読んでいて気付いた、僕以外の人にとっては当たり前に聞こえるかもしれない話。集合Aと集合Bがあったとき、AとBが等しい、つまりA=Bであるような状況とは、「AとBの要素が全体として完全に一致する場合」。

集合の記法として、A={1,2,3,4,5}のように、要素全てを具体的に書き表す方法や、B={x|xは1以上5以下の整数}のように、要素が満たすべき条件を書き記す方法の2通りがある。前者の記法を採用するとき、A=Bとは、A={1,2,3,4,5,6}であり、B={1,2,3,4,5,6}でもある、といった状況である。一方、後者の記法を採用するとき、A=Bとは、AやBの指し示す要素さえ一致していれば、AやBにおいて集合の要素として満たすべき条件が異なった表現で記述されていたとしても、A=Bということになる。例えば、A={y|yは0以上2以下の整数}、B={t|tは方程式(G)を満たす実数}、方程式(G):t(t-1)(t-2)=0、と書かれていた場合、集合AとBの表記では、見た目の表現のされ方は明らかに異なる。しかしながら、要素が満たすべき条件を考えると、要素はいずれも{0,1,2}という集合の要素と一致するので、A=Bであるということになる。

この例は非常に簡単な例だが、(数学の問題でなくとも)もっと難しい問題があった時に、AやBの要素が満たすべき条件が非常に複雑であったとしても、要素さえ一致していればそういう難しいことは考えなくてもよい、というような要素還元主義を採用すると、物事がスムーズに進むこともあるのではないかと、漠然とそういう気がした。