今後、旅の日記を書くために用意したブログ

今後、旅の日記を書くために用意したブログです。今のところ旅に出る予定は無いので、旅の日記以外のことばかり書いています。

アマチュア無線と私

数日前、第三級アマチュア無線技士試験を受験し、直後に確認できる採点結果から恐らく合格しただろうと思っている。
今回受験したのは、現在私が参加している人工衛星開発のプロジェクトにおいて、地上の無線設備と衛星との間の通信のために必要となるから、取得が強く推奨されているためだ。

思い返せば5年前、私は高校卒業と同時に、アマチュア無線の資格を取ろうと思って、梅田の紀伊國屋で参考書を買っていた。結局大学に落ちていたためそれどころではなくなり、そのうちそんなことはすっかり忘れてしまって、約5年間実家の積み立てられた本たちの下に参考書は眠っていた。その参考書は一級用だったので、今回の受験には使わなかったが見つけた時「一級を取ろうと思っていたんだ」と自分でも驚いた。

そもそも私はなぜ、高校卒業と同時にアマチュア無線の資格を取ろうと思っていたのだろうか。現役時は電気電子工学科を第一志望にして京大工学部を受けていたことや、浪人して大学に入ってからも、一回生の夏休みに宇治にある電電系の研究室(転学科しなければ行けない。結局転学科はしなかったが)に研究室見学に行ったことなどが思い起こされる。その研究室は、宇宙太陽光発電の篠原研で、無線で宇宙の太陽光パネルから地上に電力を送信することをコンセプトにしている研究室だった。

つまり私は高校卒業から大学入学直後くらいの時期に、無線通信というものに大変興味を持っていたということは間違いない。その理由として、高校時代、そしてそれ以前の体験がきっかけになっているとは思う。

私は高校時代、中学時代の塾で配布されていたリスニング用の音源を聴くための10cm程度の大きさの機械で、FMラジオが聴けることを発見し、それを夜寝るときにイヤホンで聴いていた。私はそういう診断をもらったことはないが(なぜなら受診したこともないので)幼少期から夜寝るのが難しい人間で、高校時代には当時付き合っていた人に振られた経験が大変衝撃的で、多分その睡眠障害が悪化していた。普通にしていたら「なぜ自分は苦しんでいるのか」についての哲学的な思索が開始されてしまい、泣き疲れるまで寝ることができないので、寝るための方法を考える必要があった。

加えて、私の実家では夜寝る時にスマホをリビングに置いて寝なければならないルールだったので、スマホで音楽を聴いたりして寝ることもできなかった。そこで、先述の機械でFMラジオを聴いていた。もう関西では放送されていないと思うけど、野村訓市のTravelling without movingという日曜から月曜日に日が変わる瞬間くらいにやっていた番組や、そしてオードリーのオールナイトニッポンから受けた影響は大きいと思う。大学に入ってからも、ラジオではないがイヤホンを片耳だけ付けて、Youtubeで動画を流しながら寝るという、確立された類似のスタイルは大きくは変わらず寝ているので、それだけラジオというものから受けた影響は、自分にとって大きいと思う。

そして大阪のラジオ放送は基本的に生駒山の電波塔から発信されていると思うが、自分の部屋の中でもその10cmの機械の向きや場所によって、寝返りを打ったりすると聞こえ方が変わるというような経験を覚えている。

こういうようなことがあったので、私はその当時、無線通信というものに少し興味を持っていたのだと思う。

また、私の実家ではWi-Fiのパスワードを父親が管理しており、児童期からインターネットに触れる機会はあったものの、私が自由にWi-Fiにアクセスできる状態ではなかった。この点に不自由さを感じながら育ったことも、私の無線通信というものへの関心を育てる一要因になっていると思う。

私はいま、分野で言うと無線通信とは全然違う分野の学問を学び、研究をしている。全く関係ないかと言われると、でも同じ電気に関連することではある。そういう意味で、当時の私の意識と今の私の意識とは、地続きだなと思う。一貫性がある。一貫性とは、文脈のことだという文章を私は書いたことがあるので、もし興味があればブログを探して欲しい。

私がブログを始めたのは、ちょうどその頃、高校を卒業して浪人が始まった3月,4月くらいだ。その頃はまだ、先述の失恋事案からもう2年とかは経っていたけど、人間関係ということについて、自分は非常に哲学的な思索を自分の中で展開し育てていた時期であった。そのことについて書いた記事も残っているはずだ。もうその問題は、たまには苦しいけど、基本的には決着している。約1年半前に「決別」と呼べる「事件」があったので。私も、青年期から比べると、かなり大人になったなと思う。もう青年期ではない。自分の人生に、自分で責任を取るフェーズに入ってきている。モラトリアムは長いな、と思う。

私はいま、8月のアマチュア無線一級を受けようと思っている。結構何人も落ちていて、難しいらしい。でも、やる価値はありそうだ。