今後、旅の日記を書くために用意したブログ

今後、旅の日記を書くために用意したブログです。今のところ旅に出る予定は無いので、旅の日記以外のことばかり書いています。

言及をやめて、勉強を始める

ヴィトゲンシュタインが言った「語り得ぬものについては、沈黙しなければならない」という言葉の意味を、僕は全然知らない。しかし、反射的に言葉を紡ぐのは、あまり格好良くないと思う。
思想史家の先崎彰容は、落合陽一との対談の中で、学者には「のれん」と「本店」とがある、と言った。それは自分が専門とする領域と、それによって獲得された視座からの現代の状況に対する批評、時事批評の2つがあるということだろう。
流れてくる時事の話題に、反射的に反応して言葉を紡いではいないか。自分の塔を建てなければ、その言葉はありふれたものとなり、やがて一貫性の失われた陳腐としか言えないものになるだろう。
だから今は、言及をするべき時ではない。勉強をするべき時だ。勉強して憑依したものを、言及することによって試す、というやり方なら「のれん」的だと思う。試すことで勉強したことへの理解は深まる。場合によっては、その限界を知ることもできるだろう。そうすれば、その限界を克服する新天地を見つける旅へと出ることもできるかもしれない。
一方、受動的に言及させられているだけでは、同じ平面をぐるぐると歩いて回るだけだ。同じ平面をぐるぐると歩いて回るだけなのは、あんまり知的好奇心とかも刺激されなさそうなので、面白くなさそうだ。やっぱり、勉強が先で言及が後だと思う。
この一節もまた、言及に他ならないので、僕はもう黙ろうと思う。